2012年5月28日月曜日

厨子


何年かぶりに知合いのカフェへ行ってきました。

Dinig Kano 小さなお店ですが明るくて心地よい店です。

韓流ドラマ大好きのママさんがとてもパワフルなんです!



このお店の面白いところは、厨房の裏で珍しいものを造っていることです。

前から興味があったので、覗かせてもらいました!木の香りがする工房です。


さて、なんでしょう?
 正解は、宮大工さんです!
 
先日、会社で教えてもらったばかりの【厨子】もありました!

普段は無口に職人さんも、普通の子が【厨子】を知っているということで喜んで色々とお話してくださいました。

1つの事でも教えて頂くと言う事は、広がりが出来てありがたいことです!




最後は、こんな形になります。皆さんも、どこかで見たいことあるのではないでしようか。

広い意味では、お仏壇も厨子だそうです。



 さて皆様、物を購入するときは外寸で注文しますよね?

【厨子】を造る時は、外寸が大して重視されず、扉の内側のサイズを聞いて造るそうです。

何故、内側なんですか?モノは、置き場所に困るので外寸が重要なのに。

答え:厨子は仏様のための箱であるため、重要なのは仏様であって箱ではないから。

仏様がちょうど入る扉のサイズが全ての基準になっており、他は大した事ではないそうです。

一般的な考えは、ともかく外側が肝心。ビルが何階建てだとか、何坪あるかなど。

全てが【モノ】化されている結果なのかもしれません!精神(内容)より外観に価値がある。

以前話題になった【見た目が9割】という本が言うように外観が大切な時代ですが、

 大切に守らなければならないものが何か・・・心の整理をさせてもらえるお話が聴けました。


深い話のあとに扉一枚をあけると明るいカフェの空間。

美味しいパスタとケーキを頂き、日本文化のあれこれを考えるきっかけとなりました!




絵画 骨董品 買取の北岡技芳堂

2012年5月19日土曜日

 
お店にある花器です。


骨董屋は新品を扱う普通のお店と違い、長く楽しんで使っていただける品、作品を 扱っております。

その為、ただ在庫としてしまっておくのではなく時より使ったり、色々な人の眼に触れるようにしております。

どんなに美しくても、人が住まない家が朽ちるように、絵や器も人と共にあってこそではないでしょうか。


せわしく、物の溢れる時代ですが、エコや気持ちの豊かさにも感心が高くなっている今、骨董の精神性にも注目が注がれ、共感がふえるといいなと思います。




挿してあるのは、


【 利休草とブラックカラー】 です。


『つ』のような、『 ゛』(濁点)のような・・・
ブラックカラーの違和感が花・初心者の私としては面白いと感じています。





絵画 骨董品 買取の北岡技芳堂

2012年5月17日木曜日


昨日、技芳堂の近くにあります『若宮八幡宮』で祭がありました。

戦前の名古屋三代祭といわれていただけに名古屋市内のほかの山車祭とは雰囲気が違っておりました。
特徴は、山車と共に”神輿”があることです。一行は平安雅な形で文化の伝承を感じました。
また、祭礼場所の「若宮八幡社」と、奉納先の「那古野神社」を往復する道筋は、「本町筋」。
(この筋に技芳堂があります!)
現在、「本町筋」を通る山車は『福禄寿車』だけで、 お囃子は「能楽」の囃子を使っており、格調高い山車です。


この祭の面白いところは、”今と昔の融合”です。

今、昔。
和装に洋装のカンカン帽子。年長組のスタイルは、
和装の落着きに洋装の”意気追い”があり、歳を老けて見せない粋なところが好きです!


今、昔。
お内裏様を思い出しました。きっと、昔は牛車だったと思います。今は、ハイブリットカーです。


今、昔。
たまに日本が鎖国を続けられたらどうなったかと想像します。
国際化におされつつも、ブータン王国のように国民が民族衣装を着る法律があったなら、こんな感じかな!と思います。 パーキングに牛車ならぬ、”君”を乗せたハイブリットカーが来るのを待っている図にみえます。和服は着物だけではなく、色々な形がありとても面白い!




今、昔。
ここは名古屋のど真ん中。高いビルに囲まれて、山車が小さく見えます。
なのに、鮮やかな空気を醸し出してビルに負けない存在感。

誰かが護ってきたというわけではない、多数の共通意識が作っているものの正体が【祭】ではないかと思っています。
人の気を集める【祭】は、色褪せない芸術のように存在感・美しさがあるのだと思います。



今、昔。
仕事を終えてから、宵宮へ行きました。
残念ながら写真はありませんが、現代風の祭とはいえ、暗闇を提灯が照らす風景は昔とあまり変らない雰囲気だと思います。この夜と灯のバランスを見ていると、節電がいかにややこしい生活かと思わされます。炎が揺れることで、そこに浮かび上がる景色が変化して、狭い視野でも不安さではなく、情緒で心が満たされます。宵山、夜宮は昔の生活感を体験でき、何がゆとりかを教えてくれるとても貴重な時間ではないかと思います。




とくに感動したのは、GPS機能つき携帯電話を持って生活する子供たちが、薄闇い境内で楽しそうに走り回っている姿でした。普段は危険だと注意を受けたり、塾へいったりしなければならない子達が、夜にもかかわらず自由に遊べる夜宮は、今も昔もかわらない瞬間だと嬉しくなります。

地域の祭で、地域人の意識が高いからそこ、護りが強く、弱いものも助けてもらえる。
これが【祭】の本質であってくれたらと思います。






絵画 骨董品 買取の北岡技芳堂

2012年5月16日水曜日


桜も終わり、新緑が美しい季節となりました。

初夏並みの暑さの中、若宮八幡宮の祭囃子に誘われて寄り道したのが良かった様で、
 
昼休憩中のわずかな時間に、素敵な出会いがありました。

出会いには旬があります。逃しては後悔先に立たず・・・思い切って一歩前へ!


『大あさり』


ありました!ちょうど、先週あたりから食べたいと思っていたんです!

なんと、お弁当の横に売られておりました。

一歩前へ!『旬』のシール付きでした!




 季節が変ると、ふと食べたくなるものがあります。不思議~

経験から体が覚えているのでしょう。

たまに頭で考えると、まったく季節はずれの物を食べようとし、必死に探して馬鹿をみます・・・

そう、

最近は、頭で考えずに腹で考える様になりまして!


これこそ ”腑に落ちる” 思いです。
 


なんて美味しいんでしょうか!貝!貝!貝!


梅、桜、春雨、木蓮、蒲公英、日向、藤、新緑、木洩日、祭、梅雨、夏、雷雲・・・

日本の四季って素晴らしい。景色(枕詞)に合う食べ物(下の句)が浮かびます!

 



絵画 骨董品 買取の北岡技芳堂

2012年5月15日火曜日


今日、明日と枝芳堂の近くにあります『若宮八幡宮』で祭がおこなわれます。

名古屋市内では、4月5月6月10月と地域により山車の祭があり、

私の地域では6月のちょっと早い夏祭りがあります。 お店に『名古屋祭』の掛軸がありました。

写真のない時代、このような丁寧な絵が貴重な資料になります。

そして先日、戦いの場面の絵でこの扇と同じものを見かけて新たな発見!

子供の頃、ちょっと怖いと思っていた名古屋祭の扇は『軍扇』というものを見習ったようです。

 骨董の中にいると、今まで未解決だった歴史が符合していきます!

◆ 6月第一土日は、名古屋で一番山車がでます。皆さん、一度体験してみてください。◆
予告で、オススメの山車を紹介します。

 宵山の提灯は、日本の昔の良さを感じさせてくれます。
このようなゆとりある空気感を年に数日だけでも残していきたいです。
 日曜日の宵山9時頃には、今回の祭の一番の見せ場となります。
 車輪が木ですので、山車が通った後がわかります。
この瞬間、一人一人の真剣さが量られます。力だけでは出来ません!
 祭は、大勢の人の『気』をひとつに結びつける大事な儀式と感じます。
私のオススメ『神皇車』 です。名古屋らしい派手さも味かもしれません。



『神皇車』と一緒にいる 『湯取車』です。
160歳先輩にあたり、奉納先も違い本当は関係ない間柄なのですが・・・


空襲を免れて残った山車同士協力。地域の地鎮祭としての役回りを後世まで!



 まだまだ、祭の魅力を語ります!


2012年5月14日月曜日

3分間の鑑賞会

みなさん、こんばんは。

敬愛する大先輩から電話をいただきました。
『今、調子のよいヴァイオリンがラジオから流れてきて、
それがJascha Heifetzで、あなたにも聴いてもらいたくて電話をした』とのことでした。

有難さと、嬉しい気持ちでいっぱいになりながら、
しばし、電話口から聞こえてくるヴァイオリンの音色に耳を傾けました。



              



絵画 骨董品 買取の北岡技芳堂(営業時間10:00~18:00)

2012年5月9日水曜日


店頭にて、視線を感じました。新しい作品がいつの間に!

見惚れてしまいました。


『 歌舞伎 中村雀右衛門 押隈 』


人間国宝、文化勲章受章者。歌舞伎界を代表する女形。

大正9(1920)年8月20日生まれ、2012年2月23日(91歳)・・・今年亡くなられたばかりです。


大正に生まれ、昭和・戦中は軍曹として戦地へ、敗戦によりスマトラから帰還。

戦後、27歳から女形として日本芸能を支え、平成を迎えた歌舞伎役者・・・、驚きました。

激動の時代を生きてきた役者の方ということで、重みのある希少な押隈ということが分かりました。


 不思議なことに、目を閉じて押したものなのに視線を感じます・・・



『女形』

不思議な存在です。

舞台が嫌いではない女性からみたら”美しい”の一言に尽きます。 

では、女形を男性から観たらどうなんでしょうか?

また、演じる方から観てどうなんでしょうか?

気になります。これは、知りたい事のひとつです。


この押隈をみていると、三つの時代を生き抜いた方の相(装)でもあり、

世の中の不思議をたくさん背負っているように思えて、色々と考えが湧いてきます。




2012年5月6日日曜日

静かな夜に

みなさん、こんばんは。

久しぶりに聴きたくなり、サウンドトラックを引っ張り出しました。
1998年のイタリア映画『海の上のピアニスト』よりA Mozart Reincarnatedです。
Ennio Morriconeはイタリアの作曲家で、特に映画音楽で有名ですよね。





絵画 骨董品 買取の北岡技芳堂

2012年5月5日土曜日

5月5日です。 5月に近づくと『ちまき』が食べたくなります!

皆さん、召し上がりましたか?

男兄弟がいない家でしたので、端午の節句はあまりイメージが沸きません。

ただ、記憶に残る『ちまき』!これが楽しみです。 



何気なく通り過ぎる季節ですが、

昔からある”イベント”によって日々楽しみを貰っているような気がします。

日本って、いい文化持っていますね!折角なので、大好きな『ちまき』のことを調べてみました。

中国から伝来した食べ物で、端午の節句もまた然り。

意外なことは、五月が 【毒月】 と呼ばれていたということです。


五月は、気候が変り人が病気にかかりやすい季節だったために生まれた風習だそうです。

そういう意味で端午の節句は”厄除け”とも言われたのですね。なるほど。 

現代でも、”五月病”というものがありますが!…、旧暦の話ですから、また別物でしょうね!

5月5日を旧暦から新暦になおしますと、6月24日あたりです。

きっと、【梅雨】にあたる時期だったから風習が生まれたのでしょう。

梅雨時、女性の場合はカラダに水が溜まりやすくなります。

全般には、食べ物が痛みやすい、細菌が増えやすいということで病気にかかりやすいみたいです。


現代は、物が豊富で寿命も延びてますから気にすることない事ですが、

折角なので、来月(旧暦)も健康の為、厄除けに『ちまき』を食べようと思います!

ただ食べたいだけ!? いえ、そんなことありません!文化を大切にしたいんです!


技芳堂のある大須近くで、肉ちまきが美味しいところはないでしょうか。


絵画 骨董品 買取の北岡技芳堂

2012年5月3日木曜日

いつの間にか5月となりましたね。

少し前に彦根城へ行って参りました。

天気は雨で桜は終わりがけでしたが、葉が沢山出ているおかげで

桜が色濃く眼に映り、雨雲の陰りに負けていませんでした。


目的は『ひこにゃん』に会うことでしたので、ゆるい気分でいったのですが、

その『ひこにゃん』が身に着けている元となった井伊家の甲冑をみて気合が入りました!


先日、甲冑を入荷したばかりでしたので、なんだか親近感がわきます。





彦根城博物館を周っていると突如、能楽堂がありビックリでした。一度、薪能とか見てみたいです!

能なんて観る機会がありませんが、能楽堂の周りにある白い玉砂利の心遣いが大好きなんです。


心遣いとはおかしいですが、今で言うレフ板のような効果があるそうで


舞台が美しく見える設計だそうです。【美】へのこだわり、意味があることに感動します。



また、写真のお庭にある梅の枝にも驚きでした!

空洞化し割れて、戸井のようになっている枝先から新しい芽が。なんて強い樹なんでしょうか。





玄宮園庭園からの彦根城、風がなく水面への映り込みが鏡のようでした。美しいです。



同じく玄宮園、立派な赤松ですが・・・何故か、応援団みたいに見えます。

「フレー、フレー!赤組!」 枝が、腕に見えて仕方ないです。 ごめんなさい。

そして、彦根城へいってすごく気になった 『松』 !!!

彦根の松といえば"いろは松"だとお思いでしょう。




いえいえ、逆さ枝というのでしようか・・・なんじゃコレ!

まず見ない枝の伸び方です。

あえて下に延びる様にしてあるとしか思えない剪定。そして、てっぺんが切られております。

申し訳ないですが、不細工に見えます。上の赤松もてっぺんが切られてるように見えます。

一体、何がおきたのでしよう!?

一瞬、剪定を失敗したのか、弱った松なのかと思いましたが、

なんと、この松の剪定と同じものが博物館の屏風にも描かれておりまして! 




・・・と、いうことは何か意味があるのだと!好奇心が沸きました。


入口の方に訪ねたところ、京都から庭師さんを呼んでいるという情報のみでした。


ネットで検索しましたが、いまいち判りません。お庭に詳しい方がいたら教えてください!






そんな彦根城は、世界遺産の登録をめざしているそうです。

では尚更、このようなこだわりの意味を知りたいものですね。

今度は、秋の紅葉で訪れたい場所でした。



絵画 骨董品 買取の北岡技芳堂