2013年1月17日木曜日

横山大観 『月満湖』 (宝蔵院の書院にて)





近代日本画家の巨匠、横山大観の水墨山水。
画題『月満湖』は、晩年の枯れた味わいの心象風景画です。

心象風景とは、精神から想像される理想境の姿です。
実際には存在しない風景だからそこ、心地の良い郷愁と
格調の高い精神性が伝わってくるのではないでしょうか。

戦中戦後の画家であった大観は、日本美術を世界に残そうとした
岡倉天心の意志を引き継ぎ、日本を背負う気持ちで描き続けました。
筆で日本を護ろうとした画家の気迫は、環境の違う現代画家には
到達できない表現があるのではないでしようか。

大観の描いた水墨山水を眺めていますと、
邪気が祓われ、姿勢が正される緊張感と静寂を感じます。

国を背負い生涯何十年もの間、筆一本、墨一個、紙の一枚に
こだわりながら画法も厳しく研鑽して山水画を描き続けて
こられた画家・横山大観の作品は、日本の精神性そのもの。

これからも日本に残る美術作品です。

実際、書院に掛けた時の迫力は、作品本来の魅力、姿が現れ
右から眺めたり、左から眺めたり、後ろに下がったりして
見える景色が微妙に違って視える水墨画に感動しました。
一生涯をかけて描き続けた心身一体のうえ、
計算し尽くされた境地で生み出された画だと解ります。





今回は、伏屋地蔵・宝蔵院の書院にて掛けさせて頂きました。

作品に合わせた空間の設えは、見栄えではなく
作家の気持ちが、より感じる・より伝わる様にと考えております。

今回、より作品の良さを感じる為に掛ける場所を厳選することの
試みにご協力いただきました、名古屋、宝蔵院の和尚・吉川様。
この度は、誠に有難うございました。

今回のことで、場所によって見え方が変るということを難点とはせず、
合うべき場所に帰ることで作品の力は損なわれていないという事実を
伝えられたらと想っております。

時々、店頭でお客様から質問も頂きますので、お持ちの作品の
飾り方、設え方の相談もお気軽にお問い合わせください。
お待ちしております。

これからも、色々な作品を色々な場所・形で紹介していきたいと思います!



2013年1月8日火曜日

あけましておめでとうございます


みなさんこんばんは。
お正月休み、いかがお過ごしでしたでしょうか。
北岡技芳堂は、7日から通常営業しております。

仕事始めの7日も、たくさんのお問い合わせをいただきました。
ありがとうございます!

誠に申し訳ございませんが、
連休中にいただいたお問い合わせ等に関しまして、
ご連絡までにお時間を頂戴しております。
ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願い致します。


本年もよろしくお願い申し上げます。


絵画 骨董品 買取の北岡技芳堂(営業時間:10時~18時)