2012年10月27日土曜日

秋の散歩 と 覚王山

名古屋市営地下鉄・覚王山駅は、日泰寺の参堂に直結の駅です。
日本で唯一お釈迦様の遺骨を安置する寺「日泰寺」で知られています。
また、「日泰」は、日本とタイ王国を表しています。いたるところにタイ語があり、不思議なお寺です。
昔から覚王山は毎月21日、弘法さま縁日です。当店がある大須観音は、18.28日です。
ただ平日に当たることが多いので、土日でオススメは春・秋の 【 覚王山まつり 】 です。

古くからの風習が残っている土地は、落ち葉が腐葉土に成り、土が豊かなように深味があります。
新しい店が立ち並んでも、どこか落ち着ける空気があります。


【sino】                             【覚王山・参道】

靴修理専門店【tools】http://tools-kakuozan.com/

めずらしい ボタンの専門店 【kususu】 

白い器専門店(?) 【sono】 国産陶器というのがいいですね

久々に通れば、またあたらしいお店が増えていて、嬉しい気分で散歩できる通りですね。
   
下の写真は、コーヒー豆?と思いきや【ボタン専門店】。昔、近所にもボタンと糸だけのお店があり
よくお遣いに行きましたので、とても懐かしい気分で、お店の方と話していたらボタンのオマケをくださいました。
今年7月オープンということで、まだお店のHPはないようです。小さなお店ですが、心踊る品揃えです!

 

                           【 kususu 】
 
むかえにあった 【ZARAMA NAGOYA】

この通りには、みたらし団子、畳屋さん、炭屋、駄菓子屋、などの昔からのお店も残っています。
時代の流れと共に”渋さ”は少なくなっていますが、世代が変っても人の出入りが絶えない空気が
街の温度を保っていて心地よいです。多くの商店街が、シャッター通りとなる中、貴重な道です。

もっと、もっと、人を楽しませる道がのびるといいですね!
最近、めっきり通らなかったので、秋は度々、散歩に行きたいですね!


絵画 骨董品 買取の北岡技芳堂

秋の散歩 と 黄金桂

秋の始まり、金木犀の香にしあわせを感じながら、寒さに物寂しさを感じます。

最近、岡倉天心の『THE BOOK OF TEA』(茶の本)をお薦め頂き、興味深々に
手に取るものの、うまく集中できなかったのですが、良い案が浮かび、お出掛け。

向かったのは、中国茶房 『ロ・ヴー』   店内は少席ながらも、とても落ち着けます。
名古屋で最初の中国茶専門店です。7年前から時々通っているお店です。
中国茶の販売は13年ほど前からされているそうで、お店は2006年から。
中国の知人が「最近は年々、お茶が高くなっている」と云っていた話をすると
10年前から比べると、かなりの値上がりをしていると教えてくれました。
今、中国骨董も注目されており、茶葉とお茶道具が影響し合っているのは、
自然なことなんですね。中国も自国の文化を取り戻そうとしているのかなと思うと、
岡倉天心の『THE BOOK OF TEA』も面白味が増します。














今回は、金木犀の香りがする≪黄金桂≫を頼みました。

飲みながら、岩崎オーナーに『THE BOOK OF TEA』の話をしたら、
『今、ボストン美術館(名古屋)で岡倉天心が尽力し集めた日本美術展がやってますね~』
と教えてくださいました。さらりと情報が出てきたり、何気ない会話ができる≪茶≫に感動。
店内に東京国立博物館・日中国交正常化40周年【中国 王朝の至宝】 のパンフレットもあり、
楽しくなった半面、盛りだくさんの美術展予告を聞いただけで、お腹一杯になりました!


















中国茶の良いところは、注いで注いで会話が長く出来る、しあわせ。
六煎を飲み終えて、 店のドアを開けると金木犀の香に包まれ、見上げれば
秋の夕焼け、茜色が美しく、五感が”しあわせ”で満たされました。
選んで並べても得られない”偶然の幸せ”に感謝です。

また、帰り道の覚王山(参道)で嬉しい発見が・・・



絵画 骨董品 買取の北岡技芳堂

2012年10月19日金曜日

秋山巌先生の版画を入荷いたしました

みなさん、こんばんは。
秋山巌先生の版画を、まとめて入荷いたしました。
ヤフーオークションに出品中ですので、
是非ご参加ください。
 

北岡技芳堂 ヤフーオークションはこちらからどうぞ



今年も残すところ3ヶ月を切りましたが、
2012年は、Giovanni Gabrieli没後400年です。
多重合唱の様式を完成させ、
合唱音楽の多様化に大きく貢献したヴェネチアの作曲家として、
ご存知の方も多いのではないかと思います。
今年は ガブリエルイヤー!ということで、
世界各地で、多くの記念コンサートが行われていますね。





絵画 骨董品 買取の北岡技芳堂(営業時間:10時~18時)

2012年10月18日木曜日

~芸術の秋・オペラを体験~

数年前、たまたまオペラを観劇することがありました。
音楽に精通しているわけではなく、とりあえず行ってみるというレベルで
『トスカ』『コジ・ファン・トゥッテ』を体験しました。
学生の頃、本で『椿姫』を読んでオペラの名作と知って以来、一度は観てみたい!と思っていたのです。
ただ、オペラは意外と大掛かりな演劇で、チケットや格式が高い・内容に着いていけるか心配・・・
ということで、小さなホールを見つけて音大OBなどの手頃なチケットで観られる舞台にしました。

一緒に行ってくれる人の地元にあるホールで、愛知県長久手市文化ホール(森のホール)を選んで、
以前に行った県立の大ホールよりも、小さくて雰囲気のある空間に感動!森のホールは、オススメです!
その時は、『コジ・ファン・トゥッテ』でした。字幕付きは、中々みるには忙しく内容を追うのが
大変でしたが、オペラを観たい!という気持ちがあれば、初心者でも楽しめる物語が多いです。
日本でいう歌舞伎で、堅苦しそうで、実は娯楽要素がたくさん詰まっています。



1階席がよかったのですが、2階席だった・・・残念だと思って座っていると、舞台の前に”あれ”が見えました。
オーケストラピットです!オペラは生演奏で、オーケストラは舞台の視界に影響しないように、
1階からは殆ど見えない一段下がった場所で演奏しているので、舞台裏のような感じなのです。
何故、それを観て面白いと感じたのかは、単に初心者の感動プラス、以前、TVで西本智実さんが
オペラの演奏を熱く語っていたことを思い出し、その現場が見れたようで嬉しくなりました。
歌舞伎では、黒御簾 (くろみす) と言う場所です。黒子のような位置づけなのですが、
私には御簾の向こうから美しい音楽が聞こえてくると、その場所にとても色香を感じます。
隠すことが舞台のためであるのに気になって仕方ない・・・不思議な効果があります。
東西、同じような考え方で舞台が作られているのが面白いですね。 

今年、久々に調べたら間に合いそうな公演がありました。
愛知県長久手市・文化の家『森のホール』愛知県立芸術大学オペラ公演 歌劇「ヘンゼルとグレーテル」全3幕 日本語上演

観劇体験のない方へ。知識はなくとも好奇心!人生のビタミン剤で元気になりましょう!
CDやDVDから一歩前へ『芸術の秋』です。身近なホールで、生演奏、舞台はいかがでしょうか?




絵画 骨董品 買取の北岡技芳堂

2012年10月15日月曜日

ヘレンドのティーカップ②

先日ご紹介したヘレンドのティーセットを見ていて、ふと久々に陶磁器絵付けの先生を訪ねたくなりました。

大昔は手描きしかありませんでしたが、産業革命から工業化が進むに連れて量産が
もてはやされ、その後、 手描きが高級・特別となりました。しかし、今はその手描きの
職人さんが居なくなり、手作りの価値感の前に”手作り”の存在が消えようとしています。














ヨーロッパのある有名陶磁器会社も量産・工業化が進むことで品質が落ち、
品質の信頼性が失われ、職人も育たずに潰れかけたときに自社の原点である
”独自の技術”(手作り)に切り替えて、ブランド力を戻したそうです。
どの業界も、職人の存続と再生は無くなるか、ギリギリ救われるか、明暗を分ける時代に感じます。


知り合いの先生は80歳になられます。
日本の陶磁器輸出の全盛期を経験し、シールで柄を付ける転写技術が主流になり、
外国製品が主流になった今に至るまで、陶磁器生産の歴史を知る職人さんです。

今や需要も少なく衰退した手描き技術ですが、体が動くかぎり学びたい人に継承していくと
おっしゃっています。こちらでは国家試験用に特訓もして頂けるということで、
遠方から新幹線で通われる方も居るほどです。

ただ、技術の継承は不思議なもので、どんなに丁寧で器用な人でも『気』だけは環境によるもの
のようで、大きな壷の絵を描くには窯の怖さを知らないと出来が上達しないそうです。
窯の怖さとは、手塩にかけた陶磁器が窯の中で割れる、他の人の作品も壊してしまう・・・
そんな、現場の緊張感のことです。

今は、恐い親方も先輩もおらず、窯も電気で安定しているせいか、
絵の上手い下手を超える『気』を集めるのは難しい様です。
ただ、時代は変わり、求められる形も変わってきます。
それに合った事をするのも、生き残る方法です。
男達の力仕事であった陶磁器技術は、今、創造性を生かした優雅な技術として女性に人気です。
デザインも女性が考える形の方が人気になっています。
次世代は気迫で作るのではなく、優しく繊細な造形が愛されるのだと思います。


絵画 骨董品 買取の北岡技芳堂