2012年9月29日土曜日

夕顔と夜顔は同じ!?

朝夕は、すっかり『秋』になりました。
最近の楽しみは、仕事を終わり帰ると外から”甘い香”がして窓を開けると
『夕顔』がふんわりと咲いているのを見られることです。
きゅっと締まった蕾が、数時間でパッと咲くには驚きです。

香る花といえば、金木犀も楽しみですね。金木犀はよく芳香剤に使われ、
世間的には強い嫌な香りの代名詞にもなっていますが、生花の香りはまったく違います。
良い生花の香りを知ると、どんな香水よりも美しい香りだとわかります。
環境により、ほとんどの人達が生花の香りを経験するチャンスがないのが残念ですね。
私も住んでいる場所で経験できるのは、藤・梔子・金木犀くらいで。

何故、生花の香りを説くかといいますと、以前ジャスミンの生花に出逢い、
自分の知っている芳香剤のジャスミンと何処も似ていないのに驚いたからです!
今まで『良い香』を経験したことがなかったから?自然のチカラがすごすぎるのか?

そのジャスミンは、意識が落ちるような(大袈裟ではなく!)美しい香りで、今も感動が残っています。
仏教の国タイで出会い、年中こんな素敵な香りに触れられるなら信仰心も保たれるのかもしれないと感じました。
タイでは、ジャスミンの花を仏様に捧げます。仏様の近くに行くと、心も体も幸せになれる”仕組”ですね。 

さて、夕顔には実が付き、それが『かんぴょう』になるってご存知でしたか?
私は、さっき知りました!そして、夕顔の実の写真をみて素敵なお重箱の事を思い出しました。
そして、その伊勢で見つけた『瓜のお重箱』は夕顔の実だったんだ!と発見。
(初めて見たときは、単純に珍しい形・お重が”□や○”でなくても良いんだ!という驚きでいっぱいでした!)
モノに関心があると、ちょっとした点が繋がっていくことが面白いですね。無知ゆえに楽しみとも言えますが・・・。


このお重・・・形のよさ、心惹き付けられる存在感・・・ふと疑問が。
うちの夕顔には、こんなすごい実は付かなさそう・・・。

あー、やっぱり!調べたところ、夕顔と夜顔があるそうで、2ツはまったく別物でした。
瓜の実が付くほうが本当の”夕顔”。こっちが源氏物語にでてくる夕顔のようです。
花の違いを例えると、キュウリの花に近いです。そして、我家の”夕顔”は一般的に呼ばれるだけで実は『夜顔』で”朝顔”と親戚でした。
明治以降、夜顔を夕顔と呼ぶようになったそうです。現代は、ほとんど区別無く”なんとなく”全部夕顔と呼ぶそうです。
実を付けるものと、付けない(良い香)ものと・・・全然違うのに何故一緒になってしまったのか!

確か、『美術』という言葉も明治時代から使われた比較的新しい言葉ということで、何かが統合されたようです。
今は、『デザイン』と区別少なく使われていますね。
『美術』『芸術』『デザイン』も、何かが”なんとなく”混沌と認識されている時代なのかもしれませんね。

夕顔と夜顔の違いが気にならない、芳香剤と生花香も同じ・・・本画と版画が同じに人気。
本物を模範した結果・・・人は時間と共に”違い”を脱して ”なんとなく同じ”!に進化したのかもしれません。
『たぶん同じ』時代と命名しましょう。人が自然に選んだこと、悪意は無く良くも悪くもそれが今の価値観。
なんてことを”夕顔”から学びました。ごめんなさい、美しい夜顔さん・・・明日も芳しく咲いてください。




2012年9月26日水曜日

ぐい呑を入荷いたしました

みなさん、こんばんは。
日中は、まだまだ暑く感じますね。
そんな中、今日は朝一で江南市のお客様のところへ
買取出張でした。
どうもありがとうございました!



さて、ヤフーオークションのお知らせです。
ぐい呑をまとめて入荷いたしました。
秋の夜長、ゆったりとした時間のお供にいかがでしょうか。

北岡技芳堂・ヤフーオークションストアはこちらからどうぞ

10月まであとわずか。
秋の気配を感じながら、今夜はこの一曲です。
今日も一日お疲れ様でした。






絵画 骨董品 買取の北岡技芳堂(営業時間10時~18時)

2012年9月22日土曜日

ヘレンドのティーカップ①

今日は、昼と夜の長さが同じになる『秋分の日』。
今年は秋風を感じるのが早いように感じます。猛暑で季節感がうすれている今、嬉しいですね。
涼しくなると、いつもよりまして紅茶が飲みたくなります。
そして、いつもより美味しく感じるので、自然のチカラはすごいと思います。

紅茶といえばお店にあります『ヘレンドのティーセット』を撮ってみました。
こちらは、ロスチャイルドシリーズの古いものです。
ティーセットにはクリーマー、シュガー皿もありますので何回かに分けて紹介したいと思います!
繊細でユーモアのあるティーセットは、飲みながら一日話せる逸品です。


絵画 骨董品 買取の北岡技芳堂

2012年9月13日木曜日

竹久夢二の版画祭

みなさん、こんばんは。
竹久夢二の版画がまとまって入荷いたしました。
ヤフーオークションに随時出品していきますので、
よろしければご参加ください。

北岡技芳堂のヤフーオークションはこちらからどうぞ



日中は、まだまだ暑い日が続きますが、気付けばもう9月ですね。
9月も、愛知県内はもちろん、
三重県、静岡県、新潟県と出張買取に出ています。

査定担当の社長は、出張で不在のことも少なくありません。
お客様のお持込による査定は名古屋店で行っておりますが、
せっかくお持ちいただいても、入れ違いになり、
すぐに査定できない場合もございます。

スムーズな査定の為にも、
お越しいただく日時等をご連絡ください。
お手数をおかけしますが、よろしくお願い致します!

上信越自動車道からの景色を思い出しながら、
今夜はこの一曲です。




絵画 骨董品 買取の北岡技芳堂(営業時間10時~18時)

2012年9月10日月曜日

着せ綿

9月となっても夏が抜け切れず、いつもの様に過ごしていますと・・・大変なことになります。
店が並ぶ所へ行くと、一面 【秋物】 となっているではないですか!
百貨店のお菓子売り場は≪栗祭り≫の行列でした。
太陽が昇って沈む繰り返しは、同じことの繰り返しではない!と感じる瞬間です。
でも、文化に軸があるからこそ出来る展開でもありますね。
日本は本当に【節目】を大切にしている国だな~と実感します。気分を心機一転させる知恵かもしれません。

そうなんです。美濃忠(本店)にお遣いへ行った時、


秋モノをみつけて、持ち帰り。開けてみると、お菓子の1つ1つに名前が。読んでいると楽しくなってきて秋狩り気分です。
気持が秋に向かってワクワクで、すっかり夏気分は抜けてしまいました。

季節に名前がある・・・特別なことではないのに心豊かになる不思議。
お菓子を食べ終わり【着せ綿】という知らない言葉を調べている時に気付きました。

(ただの菊のお菓子ではなかった!?)

【着せ綿】
9月9日は、重陽(ちょうよう)の節句と言います。中国に由来する長寿を願う行事があります。
9月9日(旧暦)は菊の咲く頃で、 9月8日の夜に聞くの花に綿を着せ、翌9月9日の朝、
その綿を取り身体をぬぐうと寿命が延びるとされています。その行事に基づいてお菓子が創られて残っています。
菊節句は、中国から伝来したばかりの菊を眺めながら詩歌を詠み、
杯に菊の花びらを浮かべた菊酒を酌み交わし、長寿を祝い、願った事に始まり。
徐々に一般庶民にも広まって、収穫祭としての意味合いも併せ持つようになり、
江戸時代は、≪五節句≫の締めくくりとして重要視されていたそうです。

≪五節句≫★七草の節句★桃の節句★端午の節句★七夕の節句★重陽の節句
地名のように、季節の言葉も先祖が辿った軌道・轍の跡ということで伝承が続く限り、
”過去と未来が繋がっている”、”人と人が繋がっている”から心豊かになれるのかもしれませんね。 
たとえば、今とまったく違う生活をしている何百年前も、この季節には菊が咲いていた事、
また、空気が変る時期を意識することで命を延ばす知恵をつける事は、祖先に支えられているような気さえします。

これから美味しい秋、美しい秋に出逢えそうな予感です!


2012年9月7日金曜日

冷やおろし

お客様との話がまとまり、無事一日が終わった帰り道。
四日市の駅で《冷やおろし》という日本酒を発見!

冷やおろしが何者かわからないまま、なんとなく【旬】のものだという感じ、
【当店限定】という札に惹かれて買ってしまいました!
夏が終わる前に季節を味わっておこうと、はりきって呑みましたところ「濃い!?」
ことにビックリしまして、調べたところ《冷やおろしは秋物》という事を知りました。


「ん~ッ!」 これは、秋の食に合いそうです。
硝子のお猪口で飲んでおりましたが、陶器にかえました。
硝子では支えきれない、どっしりした雰囲気の風味。

皆さまも、食の秋に合わせて器をかえてみてください。より美味しくなりますよ!
当店の器は、ヤフオクで見て頂けます。覗いてみてくださいね。良いもの出会えるかも!?

絵画 骨董品 買取の北岡技芳堂

2012年9月5日水曜日

夏と硝子② 七宝・エマイユ



ところで、エマイユってなんだろう?と単純な疑問。答えは、七宝でした。
さて、今回の企画展はエマイユジュエリーと、尾張七宝。
西洋のエマイユと東洋七宝の技術を駆使した美術品が並んでおり、
常設展のアールヌーボー家具、ガレの硝子と合わせて見ることで20世紀初頭の雰囲気が伝わってきます。

初め、ポスターのアールヌーボーのジュエリーを楽しみに出かけましたが、
美術館へ行き感動したのは【尾張七宝】でした。
ちょっと古いイメージのある七宝ですが、細かな柄はびっくりする技術です。
また、図案の絵がすごく細密で美しかったです。
西洋の写実技術と違い、東洋は奥行きの無い絵というイメージでしたが、
反対に細かくてごまかしのない線は、西洋では出来ない表現と誇りを感じました。
(もちろん、西洋の優雅なエマイユも魅力的でした!)

お店が名古屋(大須)にあることで、七宝作品はよく取り扱います。
名古屋から近くに【あま市】という地域が七宝の町ということで、ご縁があるようです。
機会があればあま市七宝焼アートヴィレッジへ行ってみたいですね! 


絵画 骨董品 買取の北岡技芳堂