2012年9月10日月曜日

着せ綿

9月となっても夏が抜け切れず、いつもの様に過ごしていますと・・・大変なことになります。
店が並ぶ所へ行くと、一面 【秋物】 となっているではないですか!
百貨店のお菓子売り場は≪栗祭り≫の行列でした。
太陽が昇って沈む繰り返しは、同じことの繰り返しではない!と感じる瞬間です。
でも、文化に軸があるからこそ出来る展開でもありますね。
日本は本当に【節目】を大切にしている国だな~と実感します。気分を心機一転させる知恵かもしれません。

そうなんです。美濃忠(本店)にお遣いへ行った時、


秋モノをみつけて、持ち帰り。開けてみると、お菓子の1つ1つに名前が。読んでいると楽しくなってきて秋狩り気分です。
気持が秋に向かってワクワクで、すっかり夏気分は抜けてしまいました。

季節に名前がある・・・特別なことではないのに心豊かになる不思議。
お菓子を食べ終わり【着せ綿】という知らない言葉を調べている時に気付きました。

(ただの菊のお菓子ではなかった!?)

【着せ綿】
9月9日は、重陽(ちょうよう)の節句と言います。中国に由来する長寿を願う行事があります。
9月9日(旧暦)は菊の咲く頃で、 9月8日の夜に聞くの花に綿を着せ、翌9月9日の朝、
その綿を取り身体をぬぐうと寿命が延びるとされています。その行事に基づいてお菓子が創られて残っています。
菊節句は、中国から伝来したばかりの菊を眺めながら詩歌を詠み、
杯に菊の花びらを浮かべた菊酒を酌み交わし、長寿を祝い、願った事に始まり。
徐々に一般庶民にも広まって、収穫祭としての意味合いも併せ持つようになり、
江戸時代は、≪五節句≫の締めくくりとして重要視されていたそうです。

≪五節句≫★七草の節句★桃の節句★端午の節句★七夕の節句★重陽の節句
地名のように、季節の言葉も先祖が辿った軌道・轍の跡ということで伝承が続く限り、
”過去と未来が繋がっている”、”人と人が繋がっている”から心豊かになれるのかもしれませんね。 
たとえば、今とまったく違う生活をしている何百年前も、この季節には菊が咲いていた事、
また、空気が変る時期を意識することで命を延ばす知恵をつける事は、祖先に支えられているような気さえします。

これから美味しい秋、美しい秋に出逢えそうな予感です!


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