2012年7月17日火曜日

福田繁雄さんの『VICTORY』

真夏の日差しをうけて、暑いと感じるこの頃。『終戦記念日』を思い出します。

マジメ過ぎますか?

でも、これからの日本は、本格的に【核問題】を考えざる得ない状況です。
未解決な原子力発電所の崩壊と、核兵器で終戦した日本は世界でも稀にみる”放射能経験国”です。

報道や政府の要は『原子力発電による電力の問題』ですが、多くの人たちは無意識に
【核問題・放射能問題が未解決のままでは同じ事を繰り返す】という正常な課題と判断を取り戻しつつあります。
電気料金や節電が問題視されていますが、本題に入らせないための”おとり”だと感じている方も多いでしょう。
電気がなければ生活てぎない、国力が下がるというのは目先の問題で、本題は処分できない大量の放射線物質をどう処理するかです。

大地震はいつでも起きる対処できないことです。反対に技術的に難しいですが、核処理は対処できる可能性が高いです。
【自然災害】といって、対処できることをせずに繰り返すのは【人災】です。

また、戦争は人災で、その人災の汚点である核兵器を社会の役に立てる名目で発電をしたわけですが、
核の処理方法が見つかっていない段階での使用は無謀だと誰もが知っています。原子力の始まりが
人の無責任からで今だに未解決だと、地震があっても人災と思っているのが、世論ではないでしょうか。

ほとんどの人が根底に何があるのか、気づき始めているのではないかと思います。

今回の発電所崩壊は天災ではなく【人災】
という結論が広がっているからこその【脱・原発】です。

8月末に決まる『原子力依存度3案』。内容は、2030年の電力をどうするかを定める案で、
原子力発電の割合を「0%」「15%」「20~25%」の三つにして、それぞれ使用済み燃料を
どう扱うか、温室効果ガスの排出量はどうなるかを示し、国民から幅広い意見を聞いたうえで
エネルギー政策を定める、というものです。今年の夏は、すごく重要なことが決まります。

今年の終戦記念日、私たち日本人が何を訴えるのか。
2度の被爆国民が、原子力発電と核兵器問題を別物として考えるのは世界の為になるでしょうか。
報道が民意を汲み取る決断ができるのか。政府は民意を反映する気があるのか。

この夏。
電力の問題は、節電や電気をどう使うか、発電方法を振り分けるかではありません。
電気をどのように発生させて使うことが”まとも”か、この国だけではなく世界を巻き込むテーマが争点ではないでしょうか。

 さて、今日こんな事を書いたのは、何年か前に出会った衝撃的なデザインのポスターを思い出したからです。
グラフィックデザイナー福田繁雄(1932〜2009)さんの『VICTORY』です。
 沢山の展示物の中で、シンプルすぎて通り過ぎてしまいそうなくらい飾りの無い1枚でした。


しかし、多くの人達が感動した1枚です。

後に知ったのは、1975年 ワルシャワ戦勝30周年記念国際ポスターコンクールグランプリ作品だそうで、世界に認められた作品だということです。なるほど納得。

お気づきだと思いますが、これは反戦ポスターです。

『これ以上、単純で力強いデザインは考え付かない』と同業のグラフィックデザイナー達が悔しがったようです。ただ創られた時代が、ベトナム戦争末期、もしくは終戦時期だったというのが僅かに残念です。多くのデザイナーが悔しがるほどの表現力。戦争中に制作されていれば・・・と思います。デザインがどれほど人の心を動かすことができるか、タイミングを逃せば効力を試せない部分もあるからです。

 そういう意味も含めて、福田繁雄さんは4年前に亡くなられましたが、もし生きておられたら『脱・原発』のデザインを表現してくれたのでは!と考えてしまいす。

この、ねじれたテーマを言葉(弁護)ではなく感覚的(感情)に訴えることができたなら・・・と思います。


でも、亡くなった先人の功績にすがっていては、現実的ではありませんね。やはり、次世代のデザイナーに『脱・原発』や『被爆』についてのビジュアルを創造する人達が出て来るのではないかという期待を持つ方がよいと思いと直しました。

デザインのみならず、

 The pen is mightier than the sword.(ペンは剣よりも強し)

記者や学者、表現者は、破壊力のあるものから人を守る”主張”を生み出してほしいです。

又、最終的に”ペン”で書かれる法律が、危険な先進技術より人命を重んじると記される日が来て初めて、
日本は戦後の『VICTORY』を手にすることが出来るのではないでしようか。


★追記★ ニュースでも【パブリックコメント】が注目されています。
https://form.cao.go.jp/aec/opinion-0027.html
参加の権利がある国民的議論のプロセスは、パブリックコメントです。
締め切りは8月12日(日)18時。内閣府のwebサイトから入力できます。
Web入力の場合、意見の概要100字、内容およびその理由は2500字まで。
★元の記事 http://greenz.jp/2012/07/13/publiccomment/
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